細菌が食べ物や飲みもの、唾液や胃液と共に気管や肺に流れ込んで(誤嚥)生じる肺炎。
高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥が原因と言われています。老化によって、飲み込む機能(嚥下機能)や咳をする力が弱くなると、口腔内の細菌、食べかす、逆流した胃液などが誤って気管に入りやすくなります。その結果、発症するのが誤嚥性肺炎です。
高齢者では命にかかわることも少なくなく、再発を繰り返すケースも多くあります。誤嚥そのものは治療が困難であるため、口腔ケア(清掃と機能訓練)が安全で効果的な予防法です。
口腔ケアは“口腔の清掃を中心とするケア”と“機能訓練を中心とするケア”があります。介護が必要な高齢者の場合は特に専門家のアドバイスによって口腔ケアを継続することが必要で
“機能訓練を中心とするケア”においては歯科医師・歯科衛生士に相談の上、嚥下音をクリアに聞くことが可能な「ごっくんチェッカー」がお役に立ちます。
平成24年 人口動態統計月報年計(概数)の概況/厚生労働省
■死因順位
肺炎は昭和50年に不慮の事故にかわって第4位となり、上昇と低下を繰り返しながら上昇傾向を示してきたが、平成23年には脳血管疾患にかわり第3位となり、平成24年の全死亡者に占める割合は9.9%となっている。
■年齢別死因
平成24年の死因を性・年齢(5歳階級)別に構成割合でみると、5〜14歳では不慮の事故及び悪性新生物が、15〜29歳では自殺及び不慮の事故が多く、30〜49歳では悪性新生物及び自殺が多く、年齢が高くなるにしたがって、悪性新生物の占める割合が多くなり、男では65〜69歳で、女では55〜59歳でピークとなる。
それ以降は、男女とも心疾患、脳血管疾患、肺炎の占める割合が、年齢が高くなるとともに多くなっている。
男では90歳代で肺炎が最も多く、女では85〜99歳で心疾患、100歳以上では男女ともに老衰が最も多くなっている。